2022年湿地文化継承プロジェクト〜スゲぇ〆縄編を4月27日、カサスゲ群落探しからスタートした。
ここ2年、カサスゲ群落を探してきたが、早春見つけられても、夏の初めには見つけられなくなったり、どこにでもあるカサスゲが、探すと見つからず、あっても他の高茎草本に埋もれて使えそうにないという体験を重ねてきた。
そこで今年度はしっかり助成金(北海道e水プロジェクト)をもらい、植物調査職人:濱田崇さんに正式にお願いして、早春から石狩川や千歳川周辺で探して、見つけた群落での採種や刈り取りを行おうと計画した。石狩川水系を管理する国土交通省北海道開発局札幌開発建設部と事前に話し、グリーンインフラの利活用としても望ましいとのことで、刈り取り等について許可申請しながら進めていくこととしたのだ。
候補地は、主に河川堤防の川側(堤外地)とした。当初、千歳川に6つ完成した遊水地もスゲ田(スゲを育てるための田んぼで、菅笠生産地などでまだ残っている)の候補地としても有力と考えていたが、長沼町の舞鶴遊水地でタンチョウが繁殖していて他の遊水地にも広がりそうなのでNGとなった。野生生物と利活用のバッティングは今後も課題である。
陽が良く当たる湿地では、一面ヨシが繁茂してたり、アワダチソウ(最近ではオオハンゴウソウ!)の大群落だったりが多いが、確かにこのような雑木林や河畔のヤナギ林の下でカサスゲを良く見かける。
今のうちにいくつか見つけておいて、観察していって、他の草を除去したりしながら、初夏の刈り取りまでつなげていきたい。
<スゲ〆縄づくりプロジェクト>
北海道の神社の〆縄や正月に家庭に飾る〆縄は、スゲという湿地の植物で作ることが多い。しかし昨今では身近でスゲが採れず、〆縄を綯える人も減ってしまったため、石油製品の〆縄が神社に掛けられ、中国産の〆飾りが多く売られていて皆画家って使っているという悲しい状況。
そこでスゲが生える湿地を残し、もしくは育てて、地産地消の〆縄づくり文化を残していこうと考え、3つのチャレンジを展開中。
①スゲを探し、収穫 ②スゲ田づくり検討 ③収穫したスゲで〆縄作り